時差という概念
皆さん時差を体感したことはありますか?海外に行ったことがなくて,国外にリアルタイムで連絡を取り合う知り合いなどはいないみたいな人はワールドカップなどでしか体感しないと思います.
では,その時差についてよく考えたことはありますか?たぶんほとんどの人はないと思います.
今でこそ,正確な時計や世界的な通信手段があるため時差という概念を体感しやすくなっていますが,そもそも時差という概念が生まれたのはいつなのでしょうか?
今回はその辺についてつらつら書いていきます.
(以下,自分の憶測なども含みます.参考文献がある場所は示しますが,間違っていることもあると思うので何か見つけたら教えてくれると助かります.)
まず,時差について少し話します.wikipediaとかで調べてもあんまり出てこないんですよね,そもそも標準時で出てきますし.あまりみんな調べないんですかね.
時差が起きる原因は,ずばり地球の自転にあります.
え?知ってるって?まあそりゃそうですよね.
地球はいわゆる日本人が良く使う地図において,日本が右に動く向きで回転しています.
この図はメルカトル図法で描いた地図における,昼と夜を表した図です.(ふと思ったんですけどこの図でメルカトル図法のゆがみが説明できたりしそうですね.)
調べれば割と普通に出てきます.オンラインゲームなんかにも出てたりしますね.
この図は時間がたつと,明るいところと暗いところが左に移動していきます.暗いところから明るいところになると日の出になり,暗いところになると日が沈みます.
しかし,本来は地図そのものが右に動いていく方が天体の動きを知るにはいいかもしれません.
松岡修造のように君は太陽だ!といった感じになると,動いているのは地球であり,太陽は常に同じ方向から地球を照らしています.
(まあ技術的には明るいところと暗いところを移動させたほうが楽なんでしょうけど・・・)
なんでこんな話をしたかというと,時差が起きる原因はこの昼と夜に関係しているからです.
人間は元来太陽をもとに行動していました.電気も無いはるか昔の時代は,太陽が出てきたら起きて,太陽が頂点に昇るとお昼時,太陽が沈んだらまた明日といった風にお日様が人類,はたまた多くの動物の行動を左右していました.
だからこそ"鶏が鳴いたら門を開ける"みたいな法律のおかげで孟嘗君が秦を脱出できたのです.(よくわからない人は鶏鳴狗盗で調べてみよう.)
そのため,各地の時計のようなものは太陽を基準に作られており,近世では,太陽が一番高いところに来た時を12時にしようという風に決められていました.[1]
これが現在の時差の概念のもとになりました.
もし,みんな同じ時間で生きよう!アメリカが15時なら全部15時!15時ならみんなティータイムだよね!みたいなことになってしまったら.アメリカのほぼ反対にある中国では真夜中に茶を沸かすことになってしまいます.もしくは,夜中の3時を時計が示しているのにおやつを食べるかもしれません.いきなりそんな風になると気がくるってしまいますね.
逆に.東京で太陽が昇りきる時刻と大阪で昇りきる時刻は違うよね!全部別々にしよう!みたいなことになると,新幹線で移動するときに常に腕時計を合わせる必要があります.
後者のようなことは実際に過去に起きており,大陸を横断するような大きい鉄道に乗る際には,時刻表が各駅によって違うなどの混乱が起きてしまいました.
こういうことを避けるために,19世紀末にSandford Flemingさんが現在使われている標準時のようなシステムを提案しました.これによりある程度の頻度で時計を変えればどうにか色々な街で過ごすことが出来るようになりました.
この図は世界の標準時を表しています.日本は+9となっています.これはイギリスなどから見て9時間進んでいるということです.
なぜイギリスなのかと言いますと,イギリスにあるグリニッジ天文台が基準だからです.
これが決められた当時に世界の多くでイギリスにあるグリニッジ天文台を基準に経度(のような概念)を計測していました.そこで,この天文台を経度0°と定義しようという風に世界会議で決定されました.それに伴い,ここでの時間を世界的な時間の基準することに決まりました.[2]
この図を見ると色々面白いですね.ロシアがとてもカラフルです.グリーンランドの東の方はどうなっているんだ・・・?
僕が今度留学に行くオランダとは7時間の時差がありますね.お昼に連絡が来てもまだ5時です.逆に,夜に連絡をすると日本は深夜ですね.少し不便・・・
僕はこの図を学校で習ったときには中国について教えられました.あんなに広い国土を持ちながら,一つの時間で生きています.
もし,スタンダードに分割するならば,五つに分割されているはずです.東の方の人が正午のとき,西の方の人はまだ日が昇ってない可能性だってありますね.やはり東の方に人が固まっているため,そちらに合わせているのでしょう.
日本の時間は兵庫県明石市が基準になっているという話は聞いたことがあるかもしれません.それは,東経135度を通る線が明石市を通っているからです.
なぜ135度なのかというと,地球を24個の標準時帯で区切ろうとすると一つの時間帯あたり,360°/24=15°になります.135は丁度15×9であるため,ここを基準にするのが良いだろうということです.
これは明石市も推しているみたいですね,確かに明石出身の友人に初めて会ったときはこの話になりました.
日本は小さい国ですから,ロシアのように一つの国でいくつも標準時を設定する必要はありません.
札幌が12時なら,沖縄も12時です.太陽の位置もあまり変わりません.
ちなみに,この標準時帯か経度のどちらかがわかっていると,もう一方がある程度求められたりします.中国のような例もありますが・・・
日本が世界の基準よりも9時間早いことにより,国際学会の締め切りなどで色々と混乱が生じます.(日本に限ったことではありませんが)
例えば,ニューヨークの学会の論文の締め切りが10/30の20時であった場合,ニューヨークの20時なのか,それともイギリスの20時なのか,はたまた提出元である日本の20時なのかわからなくなります.
ニューヨークは4時間遅いので,東京から見たら13時間も遅いことになります.ニューヨークの10/30の20時は,日本の11/1の9時ですので,次の日の朝までは耐えられます.
しかし,その気分でいたら実はイギリスの20時でした,となると日が変わるまでに仕上げなければならない!と焦ることになります.
幸い日本は大体の国より早いため,自分のところの20時よりも実は早かった!なんてことにはほぼなりませんが,アメリカの人とかはたまったもんじゃないですね.
聞くところによると,"すべての国と地域が20時になったら"といった感じになっていることが多いらしいです.元々明示されていることもありますが,全部がそうだと思っていたら・・・なんてことがあると怖いので,論文は早めに書きましょう.書かなきゃなぁ・・・
以上をまとめますと,時差という概念は人々が太陽の動きを元に時間を決めていることに由来します.それに伴い世界的に標準時というものが出来上がりました.
もし今の技術そのままに未だに標準時が決められていなければ,世界はすべてアメリカの時間で生きていたかもしれない・・・?そんなことはないか.
ただ,そうなると日本を10時に出発するとオランダには14時には着くよみたいな一見飛行機半端ないってみたいなことは起こらないですし便利は便利かもしれませんね
次は時差の歴史について・・・と行きたいところですがとても長くなったのでいったんここで終わります.
自分が色々気になって調べたことを書くとすぐ長くなりますね.むしろここからを書きたかったのですがなかなか・・・この記事誰に需要があるんだろう・・・?そんなこと気にしたらブログなんてできませんね.
お疲れ様です.ぜひ次のも見てくれると幸いです.
参考文献
[1] Thought.co: The History of the Standardization of Time Zones
https://www.thoughtco.com/what-are-time-zones-1435358
[2] Royal Museums Greenwich: What is the Prime Meridian and why is it in Greenwich?
https://www.rmg.co.uk/discover/explore/prime-meridian-greenwich